HOSHI HAYATO

やるき茶屋はいつだってよろこんでいる

レッズ大好きケンジと飲んできた。
ケンジはとにかく応援することが好きで、
大学時代は全身エンジ色になって
野球部やラグビー部を応援し、
今は真っ赤なレプリカユニフォームを着て、
浦和レッズを応援している。
感極まって泣くこともあるらしい。
そんなケンジや大学時代の後輩と、
王子神谷のやるき茶屋で飲んできた。
やるき茶屋の店員さんは注文すると
必ず語尾に「よろこんで!」をつける。
「とりあえず生ください」
「よろこんで!」
「すいません、おしぼりをください」
「よろこんで!」
「娘さんと結婚させてください」
「よろこんで!」
とにかく何でも喜んでくれる。
あまりにもマニュアル化した「よろこんで」だと
なんだかなぁって感じだけど、
そのお店の人は汗をものすごくかきながら、
すごい笑顔で言ってくれたので、
本当に喜んでくれてるのかもしれないな、と思った。
言い続ける事で、態度や姿勢に出てくるようになるのかもしれない。
泣くほど応援したり、汗だくになって喜んだり、
そういう人間らしい事って最近ないなぁと思った。
もうすぐ30歳になるけど、
思いっきり笑って、思いっきり泣いて。
そんな30代も悪くないなと思った。

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