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日常という名のパラダイス

前日にそのままにしておいた食器を洗って、玄関のマットをちゃんと正して、きちんとスリッパを並べる。それだけでちょっときちんとした気持ちになる。今日はそれほど寒くない。いつもよりも10分だけ早く家を出て、社食でアイスコーヒーとパンをもらい、仕事にとりかかる。
すこしだけ調整しなくちゃいけない事があったので、朝から簡単なミーティングを行い、その合間に溜まっているメールを片付ける。いろんな仕事が並行して走っているので、頭の中はきっと数匹のハムスターが車輪の中を無限に回転するように、ぐるぐる回ってるんだろう。
14時から打ち合わせがあるんだけど、13時はとっくに過ぎていて、ビル裏にあるラーメン屋でお昼を済まそうかと思いつつタバコを吸ってたら、なんとなく一人でラーメンを食べても、切ないだけだなという気持ちになったので、コンビニでカツ丼を買った。特にカツ丼が食べたかったわけでもないのにカツ丼を買った。コンビニでは往々にしてそういう事がある。
14時の打ち合わせが無事に終わり、さらに2本の定例会議が終わり、外部の方との打ち合わせへ。いろいろとアドバイスを頂く。第三者の意見は時にはすごく大事で、僕はその打ち合わせの中で何度も「悔しい」って言った。悔しい思いがあればまだ頑張れる。
打ち合わせから戻って、残った仕事を少し片付けて、オフィスを出る。冬の風が頬に冷たい。僕はトレンチコートの襟を立てて、少し身を丸めながら一目散に富士そばへ向かい、ミニカツ丼セットを頼んだ。
「しまった、お昼もカツ丼だった」と気づいた時には、すでにカツは一つも残っていなかった。その上、僕は特にカツ丼が食べたかったわけでもないのにカツ丼セットを頼んでしまったのだ。富士そばでは往々にしてそういう事がある。

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